柱とノンブル

柱とノンブルの位置は固定するのが大前提である。固定位置に置かれるから、マスターページ上で配置の作業をする。

柱を組む

柱は片柱とし、標題を柱として拾うものとする。単純にマスターページ上にフレームグリッドを置いてそこにテキストを打ち込めば、作業は終ったも同然である。

柱と見出しの連動

見出しと柱とで掲げたテキストに齟齬が起きた事例は誤植の一例としてよく取り上げられる。この誤植を防ぐために柱を自動化しよう。

柱の自動化を実現せしめる方法として、インデザインでは「テキスト変数機能」がある。テキスト変数機能とは、指定した段落・文字スタイルが適用せられたるテキストを自動的に拾いあげる機能である。最初に「書式(T)」から「テキスト変数」を選択すると、次の様なダイアログが現る。

 テキスト変数ダイアログ
テキスト変数ダイアログ

そこから「ランニングヘッド・柱」を選択すると、設定ダイアログが出現する。スタイルの設定値を見出し・標題用として作成した段落スタイルに変更して保存すれば、作業は終了である。

「ランニングヘッド・柱」の設定
「ランニングヘッド・柱」の設定

設定が終ったのでマスターページ上に戻り、柱用のグリッドフレームにテキスト変数「ランニングヘッド・柱」を挿入する。その作業後、通常ページ上に戻り、見出し・標題などを指定した段落スタイルを適用すると、柱の部分に自動的にテキストが入るはずである。尚、既定設定では直近の位置からテキストが拾われる。

今回は片柱方式であったので既存の設定を流用したが、両柱であればテキスト変数をもう一つ設定する必要がある。

柱の字割

テキスト変数は確かに便利であるが、拾われる情報は文字通り「文字」のみであって、文字に附加された余計な情報は拾われない仕様である。即ち、見出しの字割を「字送り」もしくは「文字後のアキ量」で行って居ると、その字割情報は反映されず、柱はベタのままで表示される。このため、柱の字割も自動化するためには、見出しの字割は「スペースの挿入」で実現するしかない。「スペースの挿入」で挿入されるスペースはUNICODEが付与された文字であるから問題なく拾われる。ただし、この方法であると、見出しの字割と柱の字割は常に一致するという制約が生ずる。

余談であるが、CID情報もテキスト変数では拾われない。即ち、その機能で拾われるテキスト中で字形切替をしたとしても、切替前後のグリフが同一のUNICODEであれば、その字形切替は反映されない。一例として、史(UNICODE:53F2、CID:2201)を筆押え附きの史(UNICODE:53F2、CID:13451)に切替をしたとしても、前者の史で拾われる。

ノンブルを組む

マスターページ上に「現在のページ番号」を自動的に拾う特殊文字を挿入する。