入稿用PDFの作成
レイアウトと校正とが終了すれば、後はPDFを出力するだけである。InDesignのPDF出力能力は高く、様々な形式のPDFに対応しており、もちろん印刷用途であるPDF/Xの形式出力にも対応している。特別な設定は要らないから、ほとんど迷うことなくPDFが出力できるはずであろう。
プリフライトチェック
PDFをいきなり出力する前にプリフライト機能を用いたデータ仕様の確認くらいはすべきだろう。プリフライト機能は、テキストの溢れや読み込めないフォントなどを事前に指摘する機能である。
PDのF出力
プリフライトチェックが終了すればPDFの出力である。出力の際に行うべき設定は「画像解像度のダウンサンプリング」と「断ち落とし」である。InDesignでは出力されるPDFのファイルサイズを抑えるための画像の解像度を下げる機能や画像を圧縮する機能が既定で有効になっている。これらの機能が有効であると、印刷所が要求する規定解像度を満たせない恐れや何より画質に影響が生ずる。であるから、これらの機能を無効にして出力する。具体的には画像に示した通り「ダウンサンプリングしない」と圧縮を「なし」に設定する。

裁ち落としの設定は印刷所の指示に従う。通常は「ドキュメントの裁ち落とし設定を使用」にチェックを入れれば良い。

PDFの確認
PDFの出力後、PDFの形式がPDF/Xであるかどうか、フォントの埋め込みが正しくされているかを確認しよう。出力されたPDFをAdobe Readerで開き、プロパティ画面を出して、上記の事項を確認しよう。フォントの埋め込みは「フォント」のタブから確認できる。全てのフォントが正しく埋め込まれているのであれば、フォント名の直後に「埋め込みサブセット」もしくは「埋め込み」と表示されているはずである。PDFの形式確認は「カスタム」タブから実施する。値が「PDF/X-1:2001」「PDF/X-1a:2001」とあれば、そのPDFはPDF/X-1a:2001の形式に準拠している。


以上の事項が確認されれば、少なくともPDF関係の事故は起きないであろう。ただし、この事項の確認はPDFの出力は最低限保証されたことを確認しただけであって、印刷の品質を確認したことではないことに留意する。