ポイントと級数

組版の世界では、ミリメートルなどの馴染みのある単位の他に、文字サイズを指定するための級数やポイントといった単位を使用する。

絶対的な単位

文字サイズや送り量の指定に使用される単位にはポイントと級数制との二つがある。この他にも号数制なる単位があるが、今日々ほとんど使われていない。

ポイント

ポイント(ポと省略されることもある)はWordなどで馴染みがある単位であり、ポイントは文字サイズと送り量との指定に利用する。日本においては、DTPポイントとJISポイントとの二つが併用されて居る。DTPポイントは1ポイント=0.3528[mm]である。一方、JISポイントは1ポイント=0.3514[mm]である。システムでどちらのポイントが使われるのか違うこともあるので注意。1ポイントでは差はほとんどないが、ページ全体で考えるとその誤差は無視できないものとなる。

級数制

QとHとの二つの単位があり、1Q=1H=0.25[mm]である。Qは文字サイズの指定に使用され、Hは送り量の指定に使用される。それぞれの単位は漢字で書くとQは級、Hは歯である。

相対的な単位

文字サイズを基準とする単位である。「全角」、「半角/二分」、「三分」、「四分」、「六分」、「八分」があり、全角・二分・四分の三つが頻繁に使われる。全角は文字サイズと同じサイズである。二分は全角の二分の一(つまり半角)、三分は全角の三分の一といった具合である。二分四分のように組み合わせて使う場合もある。この場合、1/2+1/4=3/4となる。また、全角二つ分、三つ分……を二倍、三倍……とも称する。この単位は字間や幅などの指定に使う。例えば「本文の行間は本文文字の半角とする」。

相対的な単位であるから、文字サイズ12Qの文字から成る行において全角と言った場合と、14Qの文字から成る行において全角と言った場合、これらは同じ量ではないから誤解を招かぬ様に指定することが肝要である。

級とポイントとの換算

級数とDTPポイントとの換算は次の式によって実現される。JISポイントで換算するときは0.3528を0.3514にすればよい。

級数 = ポイント数 × (0.3528 / 0.25)

ポイント数 = 級数 × (0.25 / 0.3528)

級数とDTPポイントとの換算表を以下に掲げる。

換算表(DTPポイントから級数)
ポイントQミリメートル
45.641.41
57.061.76
68.472.12
79.882.47
811.292.82
912.703.18
1014.113.53
1115.523.88
1216.934.23
1318.354.59
1419.764.94
1521.175.29
1622.585.64
1825.406.35
2028.227.06
2231.057.76
2433.878.47
2636.699.17
2839.519.88
3245.1611.29
3650.8012.70
4056.4514.11
4867.7416.93
6084.6721.17
72101.6125.40
換算表(級数からDTPポイント)
Qポイントミリーメトル
64.251.50
74.961.75
85.672.00
96.382.25
107.092.50
117.792.75
128.503.00
139.213.25
149.923.50
1510.633.75
1611.344.00
1812.764.50
2014.175.00
2417.016.00
2819.847.00
3222.688.00
3826.939.50
4431.1811.00
5035.4312.50
5639.6814.00
6243.9315.50
7251.0218.00
8056.6920.00
9063.7822.50
10070.8625.00